「自然農園あぐりーも」fattoria naturale Agri-Mo イタリア野菜・西洋野菜・愛知の伝統野菜を自然栽培で! 

愛知県大府市にてイタリア野菜を始めとする西洋野菜と、愛知の伝統野菜を中心に栽培し、                                   イタリアンやフレンチのレストランに野菜を販売している農家です。

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時間というコスト 

人から伝え聞いた話なので当人さんに真意まで確認した話ではない、として最初にお断りをしておきます。
ですから、もしかしたら僕の一方的な勘違いなのかもしれませんが、しかしその話を聞いた人がいる以上は、その当人さんに少なからずそうした感覚があるのでしょう。


自然栽培業界では結構有名な八百屋さんのお話ですが、その当人さんがこのように語っているらしいです。

1)農薬や肥料を使わないのでコストは掛かってないのに、自然栽培農家は高く卸たがる。
2)ならば1反の売り上げとして(栽培品目にもよるが)30~40万もあれば事足りるだろう。
  ましてや農村なんて生活物価が低いのだから。
3)1反全量買い取るんだから農協卸価格の2倍程度あれば御の字でしょ?
4)とある新規就農者がジャガイモを売りに来たが、とてつもない価格を提示してきた。
  北海道のジャガイモ農家の何倍になるんだ?冗談じゃない。
  北海道なら一反当たり7~10万円のところを30万も出してやるんだから。

まあ、その他にもいろいろと伝え聞きましたが、正直言って、僕はこんな札束で頬を叩くような感覚の業者さんとは付き合いたくないと思いました。
それがいくら有名な八百屋さんだとしても。


上記のことに一つずつ僕なりの意見を述べていきましょう。

1)について
確かに農薬や肥料は使わないからその分のコストは掛かっていない。
化学肥料や農薬を使えば初年度からある程度の売り上げは見込めるが、しかし自然栽培というのは土の力を正常な状態に戻すのにとてつもない時間が掛かる。
代表例が奇跡のリンゴの木村さんだろう。
かの人はまともにリンゴの収穫にいたるまで8年以上の歳月を要した。
比較的容易である野菜だって、僕の場合畑の質によっては5年かかってようやく目処がついてきた、なんてことはしょっちゅうだし、実際どの畑も5~6年目でようやく土の力が清浄に変わり始めるだけで、本当に素晴らしいとなるのは8年くらい掛かる。
とにかく圧倒的に時間というコストがかかる。
とても自然栽培の野菜をウリにしている八百屋とは思えない、特に10年未満の自然栽培農家の実状を知っているとは思えない人のセリフだ。


2)について
農業をしているのは物価が安い中山間地や北海道の大農地ばかりじゃない。
僕のように都市近郊の零細農家だっている。
都市近郊ということは都市部に近い生活物価でもある。
1反につき30万というが、1町やっても300万の売り上げにしかならない。
これでは何のために苦労して自然栽培やっているのかわからない。
30万なら慣行農法したほうがマシだ。
一町で年商300万しかないとなると、金銭的には何の魅力もない。


3)について
一反全量買取りと言うが、虫害痕が酷い物まで含まれるわけではないだろう?
仮に虫害痕が酷くないものが全体の5割としたら、単価的にはかなりの高額になるが、それでは売価が高すぎて小売できないと値下げを要求してくるらしい。
農家によってはそこの店は買い取り単価が、農協価格にちょっと色がついた位の低い買い取り価格だ、と嘆いている自然栽培農家もいるそうだ。


4)について
北海道の大規模農家と、新規就農したてで面積もそれほどない農家とを比較するのはかわいそう過ぎる。
生産出荷する以上プロなんだから同じ土俵で戦うのは当然だろうと思っているのかも知れないが、新規就農者の実状としてはまず無理だろう。
そこは臨機応変に対応しないと、次世代を担う新規就農者が育っていかないだろう。
だいたい1反当たり30万の売り上げなら、僕の地元の慣行農法の農家さんの売り上げと変わらんよ。



他にも色々と聞いたけど、結局ね、最終的に感じたのは農家を応援したいなんてのは言葉だけで、自分の店舗の存続を最優先させているんだなって事。
 (ま~、もちろんそれも大切なことなんだけど。)

よく農家を応援したい、次世代の農家を支援したいという事を話す小売店さんがいるけど、もしそうならば、価格面に対しては農家の言い値で買い取るのが一番ですよ。

なにも僕らも相場からめちゃくちゃ離れた値段をつけるわけではない。
そんな事をすれば、購入するお客さんも遠のいちゃうのはわかっている。
しかしせっかくの自然栽培というプレミアムである。

高いから売れないと言う前に、そのプレミアムをどう生かして、どう売りさばくかを考えるのが小売のプロの仕事でしょ?
農家から綺麗に包装された野菜を陳列して売るだけで、店舗運営費がかかるからと3~5割も乗っけてるんだから。
 (もちろんその他にも細かな仕事があるのは理解してるが。。。)
 (都市部の家賃が高いというなら田舎で店を開いたり、ネット販売で受注発注にすればいいじゃん。)


自店の運営経費がどうのこうのだからとか言うのであれば、農家は栽培に要する時間というコストが掛かっているということを、改めて認識していただきたい。
・・・と、農家にだって言い分はある
 

時間だけではない。
台風とか自然被害などがあれば、小売店ならせいぜい看板が吹っ飛んで終わりか、停電とかで数日分の仕入れがダメになるだけだろうが、農家は栽培に要した何か月分と言う労力がすべて無駄になるリスクを抱えているのだから。


僕が今、小売店に頼らずに自力で直接販売に移行しているのは、こうしたことを往々に感じたから。

もちろんこうした考えを持つ小売店さんばかりではないだろうが、先にも書いたけど僕はこんな考えをもつ小売店さんとは取引したくないですね。
それが例えいくら有名だろうが、販売力があろうとも。
 (ま、本当に販売力があるなら、価格が高くても売り捌く力があるんでしょうけどね。)



本当の意味でお互い協力できる小売店さんが現れたら、僕もまた小売店さんとの取引を再開するんだろうけど。




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Comment

Name - 土磨自然農園  

Title - そうそう

おひさです!


そういうとこ、多いですね、実際。。。
応援?
いや、自分には綺麗事にしか聞こえなかったです(笑)
「どれだけの時間、負担、コストがかかってるか分かってないでしょ、あなた?」と言いたくなります。

そういうのもあって、残念ながら自分は小売店とはお付き合いがありません。
というか、そういう面が見えた時点でお断りしてます(--)v
2012.11.21 Wed 00:45
Edit | Reply |  

Name - 耕作人  

Title - たつまさん

マジで、久しぶり^^
本当に応援したいってのなら、虫食いだろうがなんだろうが新規就農者から買ってやれよって思います。
2012.11.21 Wed 01:19
Edit | Reply |  

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